NextGreen但馬(たじま)の誕生  ~ 「森の百業」を掲げて

兵庫県豊岡市にある労協センター事業団但馬地域福祉事業所。
2012年10月から公共職業訓練「新エネルギー環境コース」を実施。

2013年春、卒業した数名が、森林資源を活用し仕事とする
「NextGreen但馬」を誕生させた。

彼らは、自伐型林業という方式を選んだ。
自分たちで森林を管理・育成する。
間伐による森林整備、山に優しい作業道づくり、森林資源を薪にし、
熱エネルギーで使う。養蜂にキノコなどの豊かな山づくりを目指す
「森の百業」を掲げた。

ワーカーズコープ 森林・里山PJ担当  伊藤 剛
(但馬地域福祉事業所 初代所長)
若者支援の仕事を通じて、地域に働く場が必要と強く思い、
森やエネルギーの仕事おこしを進めている。

職業訓練(新エネルギー・環境コース)からの仕事おこし

これまで但馬地域福祉事業所では、農山村地域の担い手育成科2010~2012年
を豊岡市竹野町桑野本集落にある旧大森小学校で開催。
豊岡市内外の若者たちが参加し、農や食、集落支援を主軸にした村(農山村)の
担い手を育成してきた。2年に渡り2度の訓練が終了。

しかし・・・
若者たちに担い手になる意欲があろうとも、
地元に継続して働く場がなければ続かない。

働く場を作るには生計が成り立つうえでの一定規模の仕事が必要。

地元に働く場をつくることと
それを理解してもらえる地域・市民の積極的な関与、行動が必要になる。

里山地域の担い手育成科 職業訓練の様子
竹を切り運び出し、獣害対策の柵づくりを行う。


この地域で仕事をおこすとしたら・・・

2011年に東日本大震災があった。
日本中で、地域のエネルギー自給が叫ばれていた。

兵庫県北部、それも、山中にあるかつての小学校。
2012年からはじめたBDF(バイオディーゼル燃料)事業の担い手育成。

豊富な水資源を利用した小水力発電の可能性
豊岡市の8割を占める森からエネルギーを生み出す自伐型林業(森林事業)

そこに希望を抱いた。

2012年10月。集まった受講生は5名。
自伐型林業では土佐の森方式のNPO土佐の森・救援隊の指導者や、広島をはじめ
とする小水力発電の実践家、大学教授等、多くの方々を講師として豊岡市に招いた。

半年が過ぎた時
訓練生たちには自伐型林業をやりたい思いが芽生えていた。
仕事おこしに向かう講義
仕事の中心は自伐型林業を柱に据え「森の百業」を目指すものだった。
地元協力者との懇談、先進地視察。仕事おこしに拍車がかかった。

旧大森小学校
学び舎として豊岡市竹野町桑野本にある廃校になった
小学校を活用。BDF事業の活動拠点。

目立て
チェーンソーの切れ味が悪くなると、チェーンに付いている刃をひとつひとつ丸やすりで研いでいきます。とても大事な作業です。

豊岡市の森林を活かすことが地域の活性化へ

面積のおよそ8割が森林で占められている豊岡市。
この森林を活かすことが地域を活性化させる近道となるのではないだろうか。

(NPO土佐の森救援隊資料より)

山に関わる「業」のピラミッド構造をでこぼこの形から三角形にしていく仕組みづくりや林業従事者が副業から専業へとステップアップできるようにすることで、専業林家の増加とともに、副業的な林業家やボランティア活動を通じた一般市民(山主)の森林に対する意識の向上も含めた、市民発の地域づくりを進めて行きたい。


様々な人々の支援を受けて誕生

NextGreen但馬立ち上げにあたっては豊岡市内外の林業関係者、
市役所、県民局等、様々な人々の期待の中、仕事おこしへ向かっていった。

訓練当初から山探しに付き合ってくれた兵庫県の職員さん。
豊岡市内での自伐型林業立ち上げを応援してくれた土佐の森のメンバーさん。

地域の期待の大きさを感じた開所式となり豊岡市内外からも林業関係者の皆様が
多く駆けつけてくれました。

現在のNextGreen但馬メンバーは、派遣や非正規雇用を経験した者、
都会から田舎暮らしを希望しIターンを果たした方、以前、若者サポートステー
ションを利用していた方。
そして小さな子どもを抱えながらも林業に燃える女性、東京出身で自給自足生
活を目指すメンバー。

中心メンバーがやる気になったのは、森林資源の枯渇についてのここままじゃ
いけないという危機意識と、誰かがやらねばという使命感から決意に至っている。そして
自伐林業で山の仕事は出来る、という実感を沸かせてくれた土佐の森の方々の熱意にもつ
き動かされた。

仕事おこしをするNextGreen但馬メンバー、共感する地域の人々・
行政・林業関係者。

あらゆる人が必要と思う仕事を立ち上げた。
協同労働の協同組合が目指す「社会連帯経営」がここにあった。

NextGreen但馬の開所式
2013年6月2日に行われた。
事務所を竹野町椒(はじかみ)に構える。今までお世話になった方々や椒地域の方々が大勢出席。

椒(はじかみ)作業場・事務所
周りは、田畑・山に囲まれ自然豊かなところ。